身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

専門事務が好き。

 複数の銀行から同じ手続きの書類が届く。主にマイナンバーの提出なのだが、なんで番号と同時にマイナンバーカードの写しが必要なのか理解できない。さらに、それは通知カードではなく写真入りのマイナンバーカードなのに、他に身分証明書を同封しろと書いてある。それも全ての銀行だ。国の指導なのか。

 ただ、銀行が用意したフォームが違っても、手続する内容は一緒なので、記載内容は一緒だし、マイナンバーカードや身分証明書に使う運転免許証も銀行の数だけコピーしておけば、あとはソートして発送するだけだ。

 今日はメルカリで売れたものなども含めて10通ちかくの郵便を発送した。昨日もメルカリで売れたものを発送したのだが、今日、受け取り連絡が来たものもあり、同じ都内とはいえ次の日に、しかも土曜日に届くとは、日本の郵便は凄いなと思う。

 寓居も再開発に入って引っ越しが具体化してきたので、汚部屋浄化という名の整理をしている。メルカリで物を売っているのも、その一環だ。古雑誌のみならず、何のために取ってあるのか理解できない書類の入ったファイル、などというものもある。私はファイルごと目をつぶって捨てるというのが怖くてできない。そして、ファイルの中を見たら、こんなものが出てきた。

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 本当かどうか知らないが、みずほ銀行がいうには震災の義援金の振込が多かったのでシステムがパンクしたというシステム障害で、手数料が誤って引かれたときのものだ。こういうことに手数料を計算していた人のシゴトというものが感じられて、おざなりにできないのだ(シゴトをがオートメーション化されたので障害が起こるのだが)。

 また、自動化されたといっても、冒頭のように、まだまだ書類が必要な処理というのが多い。フォームが違っても書く内容は同じ… そしてサラリーマン時代の自分のシゴトに思いを馳せる。貿易実務は事務職であっても専門性が要求される。私の事務処理能力は小学生並みか、それ以下なので、そんな私でも活路を見出だせるだせるところが、そこにある。

 銀行に入った同級生の女の子に言われたことがある。有くん(私の本名)は信用状(L/C)が読めるからいいなぁ…。私は銀行は外為課しか世話になったことがないのだが、そんなに銀行の仕事で信用状というのは大きいのだろうか。しかし、確かに、外為課の仕事の中では、外貨のリスクヘッジなどは個人の裁量というのは少ないかもしれない。

 なので、銀行における外為課の重要性や、さらにその中での信用状の重要性ではなく、個人の裁量が大きいことに対して、いいなぁと思われたのかもしれない。信用状は「状」だから、これを書いた(開設した)人は、何を考えて、こういうことを書いてきたのだろうかと思うのは楽しい。逆に読解力がないと、どういう手続きを踏んだらいいのか判らないかもしれない。

 私の苦手な単純事務は、どんどんオートメーション化して、こういう仕事だけ残ってほしいなと思う。信用状は、私がサラリーマンだったとき、みずほ銀行が、それぞれのフィールドを見やすくする独自のフォームを作ったが、それ以上のオートメーション化はできないだろう。船荷証券(B/L)のボディー欄とか、そういうところは、結局は人間が読解や印刷しなければならないし、それが私の仕事に対する遣り甲斐になる。

 

P.S. 信用状や船荷証券の現物をスキャンしてフォームの違いなどを見せたいが、企業秘密なので無理だ。教材としてJETROが作ったダミーがあるが、私の時代でも古臭くて使えない。