身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

無罪というか、罪に問われませんでした。

 今日、新宿警察署に出頭しました。結論からいうと無罪どころか送検もされませんでした。ご心配をお掛けしました。ヘナヘナになっているので、できるだけ淡々と。

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 警察は被害者が被害届を出さないので立件できないとのこと。相談に来たので犯歴照会をしたら前歴があるから被害届を出すように要請したのだが、被害者は被害者で自分の顧客名簿を見たら、私は被害者にもたらした利益の方が被害より大きい、そのような人に罰を与えるなどできないと主張し、幾ら警察が要請しても被害届を出さないとのこと。私の弁護士も、被害者に厳罰を望まれてしまったらな… と言っていたし、ずいぶんと処分は被害者によるのだなぁと思う。

  かつて、私は万引きGメンといわれる人(中年女性数人)に、アイドルに群がるファンのように駈け寄られ、私の持ち物から盗品が出てきたら、あった! あったわよ! と、本当にアイドルに触れたかのように黄色い声を出されたことがある。また、複数の友人が、私の罪なんて軽いものだ、自分なんて警察官が「謝って済む話」で終わらせたと言う(慰めにならない)。

 今回の担当の警察官(刑事)も、犯罪を犯しそうな人間を社会に出しておくことは不本意だと言っていた。しかし、懲罰を与えたいというのではないようで、障害者手帳を持っていると知ったら(犯歴に載っていなかったそうだ)刑務所ではなく病院だなと言っていた。刑事については、電話では語気が荒かった分、ギャップが大きかった。

 被害者に謝罪に行ったら、本当に紳士な態度で驚いた。刑事に、恥ずかしい思いをすると思うと言われたのだが、そんな気持ちにさせない対応だった。本当は名前を挙げて賛辞を述べたいが、それで被害者に付け入る人がいたら困るので書かない。腰を抜かしそうになり、隣のビルのドトールへ。贅沢にもケーキを食べようという気になった。

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P.S. 直後に警視庁の他の警察署から電話がありドキッとした。警察官の口調が明るく、私にとっては良い話でホッとした。