身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

苦しみながらも生きていられるのは東京都港区のおかげ。

 また今日も恐怖に襲われて、しかも腰を痛めたので動けない。這う這うの体で近所のスーパーマーケットに行き、トーストのときにマーガリンの代わりに使っているスライスチーズを買ってきた。

 そして、今日も、保健所の保健師さんに電話をして助けを求めた。地域担当の保健師さんが、母との関係のものだと松戸市に相談を、相続の関係だと法律相談をと言って、健康相談に乗ってくれないのだ。

 しかし、こうやって自殺を思い留まっていられるのは、東京都港区の福祉政策のおかげだよなと思う。そして、杞憂なのだが、もし、港区に住めなくなって実家のある松戸市に引っ越したらどうなるのだろうと思って調べてしまった。

 そうしたら、港区では地域担当の保健師が区の各支所に3人、区の保健所に10人程度かな? いるのに、松戸市では市全体で2人、それも主に子育てが専門らしい。保健所も、市立のものはなく県立で複数の市町村を担当することになるようだ。医療も、自立支援医療制度は同じ都道府県の医療機関しか使えず、今、通っている先生には掛かれない。福祉に厚いと思っている港区ですら、そういう保健師さんがいるのだから、そもそも総人数が少ない場所で、自分を不得手とする保健師さんに当たったらどうするのか。

 本当に、人は平等というのは大嘘だなと思う。私の出身が東京都港区というのは、かなり恵まれているのではないかと思う。他方、虐待をして精神障害者になるまで追い込むような親の元に生まれたのは恵まれていなかった。

 貧しい生まれというのなら、まだ許せるけど、親が裕福なのに高校も大学も行かせてくれなかったというのは、はっきりいって恨みしかない。しかし、この考え方もどうかなと思う。別に戦争が激しい世界に生まれなくても、不本意な死をする人が沢山いるのだから。