身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

価格の変動。

 相続の問題が、ひと段落し、やっと普通のというか凡庸なというか、毒にも薬にもならないエントリーである。書く前には面白そうなものが書けそうだぞと思ったのですが、書きながら、自分でもつまらないものを書いている実感がありました。こんなものを読ませて申し訳ありません。ちなみに次の段落は前振りなので、面倒くさいなと思ったら飛ばして読んでください。

 

 先日、相続の手続きで銀行に行ったところ、電光掲示板というかサイネージに出ていた金利の「0.01」という数字に驚いた。0.01というのは割合だと思ったら、どうも百分率のようなのだ。100万円を預けて1年で利息が100円…。

 私が住宅ローンを組んだときの金利が、変動金利だったが6.5%強だった。試しに現在の住宅ローンの金利を調べてみたら同じ変動金利で0.428%。家を買うのに、だいたい3,000万円、頭金500万円の30年ローンとして、支払総額は3,164万円だそうだ(計算にはローンシミュレーターを使用、変動金利なので払い終わるまで利率が同じままだったらという前提だが)。

 3,000万円の家を買うのに利息が164万円とは、国産車1台の本体価格ではないか。それは、貸す方、借りる方ともに金利など無きに等しい。ちなみに、このローンを組むときの銀行手数料が60万円という、もう、銀行も何で儲けているのか判らない。

 私も商社に勤めていたから、なんとなく、その辺の金銭感覚には敏感だ。私は海外貿易をしていたので、それは即ち為替(もちろん納品までの金利も折り込む)なのだが、契約をするときは、そのときのレートで見積もりを出して契約しているので、そのときに為替予約をしておかなければ、損をすることも得をすることもある。

 ちなみに、やっと個人でも為替の売買ができるようになった時期で、自由化されて最初に私がしたことは、持ち金すべてでドルを買うことだった。今のFXなどをしている人間から見ると、ものすごく割が悪いことをやっていると思われるかもしれないが、その程度のローリスクが私らしいと思う。

 

 やっと本題である。実家にいる時間が増えたので、実家でインターネットを使うことが多くなった。しかし、変人の家らしく、回線(フレッツ光)が入っているのにプロバイダー契約がないという、どうしようもない事態だ。

 今の寓居にはCATVが入っているので、そのインターネット接続を使っているが、かつてはVDSLを使っていたので、そのときのプロバイダーに電話をしたら、2年縛りがない1ヶ月更新の契約でも月額1,296円だとのこと。今まで、携帯電話のデータチャージが0.5GBで1,080円だったから、迷わず加入。

 いざというとき用のホテル用のルーターがあったので、とりあえず、それで接続していたが、木造とはいえ一戸建てだと、さすがに離れた部屋まで届くほどの出力がない。そこで家庭用のルーターを購入することにした。

 ネット通販で、次回、実家に行く1週間後に到着するように手配。しかし、注文後にLANケーブルを注文していないことに気が付く。前回も、近所のスーパーで売っているかと思ったらなかったので、追加で注文することにした。

 たかだか百数十円のLANケーブルだけ別注文にするのは悪いなと思い、ルーターの注文をキャンセルしてLANケーブルと同時に再注文することにした。そして、ショッピングカートに追加して注文画面へ。

 そうしたら、前回の注文より数百円も高いのである。価格が変わっていないと思っていたのに、6時間も経たないうちに724円の値上がり(3,574円が4,298円)。割合にして20%である。そこで、銀行の金利を思い出した次第。

 「たかだか百数十円」のために、なんで724円も多く支出しなければいけないのだ。結局、ルーターの注文は諦めた。でも、以前の価格を知らない人は、普通に買うんだろうな… と思った次第。世の中、知らない方がいいことは沢山あります。

 

 

P.S. ちなみに買おうとしたルーターは、こちら。皆さんがご覧になるときは、幾らになっているでしょうか。