身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

心配。

 午前9時まで寝てしまった。私は勤めはしていないものの朝はきちんと起きていて、最初に思ったのは「遅刻だ!」だった。

 こんな時間まで寝ていたのには理由があって、昨日、母が転倒した。それで心配で日付が変わるまで母の話に付き合っていたのだ。

 母のケアマネージャーさんに、母に私がいて良かったと言われたことを話すと、それって嬉しいですよねと言われたのだが、嬉しいというより参ったなと思った。

 東京に帰れないという思いは、やはり、母を放っておけないからだ。今までは勝手にくたばれと思っていたのだが、そう思わないのは、やはり心配なのだろうと実感した。