身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

再びヒューマンダスト。

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 今日も飲みながら書いている。こういうことを書いていると、私が、年がら年中、飲んでいるように受け取られるが、晩酌する習慣はないし、前回、飲んだのは9月12日である(ちゃんと付けている)。今週は、不快なことがあって疲れてしまった。

 写真は、これも例によってInstagramからなのだが、新しいレンズを買って、おぉ、ピントが合うのも早いしボケも奇麗だなぁと思ったのだが、何を考えたのか最初に撮った写真は絞りがF22まで絞り込まれていて、酔っ払ってから絞り開放で取り直した。そうしたら、真正面からではなく斜めから撮っていて、Instagramの編集画面で1.7°傾けた。下のベランダの淵が傾いでいるのとパースが不自然なのは、そのためだ。グラスも冷蔵庫で冷やしているのは見ての通りだが、泡も消えかけているし指の跡が付いていて、なんか駄目。

 この、サッポロファイブスターというビール、しっかりと味があるのにドライで私は好きだ。ただ、一部のコンビニでしか扱いがない。コンビニでビールを買うと割高な感じがあるが、私が住んでいる東京都港区という土地柄なのか、近所のイオンでもコンビニでもビールの値段は変わらない。カルパス(ソーセージ)はイオンのトップバリュの方がセブンイレブンセブンプレミアムの半額以下だったので買っていたが、セブンプレミアムも値段を合わせたので、スーパーに買い出しに行く意味がなくなった(寓居からはイオンよりセブンイレブンの方が近い、なんせ寓居マンションの1階だ)。

 もう、Blogではなくネットラジオでやれという話題であるが、ドライで好きだと書いたが、はたして酒を旨いと思って飲んでいるのは、どれほどの人がいるのだろうというのが、今日の話題だ。今日、私は、その、セブンイレブンの103円のカルパスを齧りながら飲んでいるが、それがなくてもビールを美味く感じたのかというのと、はなはだ疑問である。ふざけて酒道6段と言われる私だが、はっきりいって、酒の味が美味いと思ったことは、私の人生では数度しかない。しかも、そのうちの1回、さらに初体験はウィスキーである。

 

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(写真は映画「ラブコメ」の香里奈さん、スクリーンショットが撮ってあるのだから観たのだと思うけど記憶にない。)

 

 こんな感じで、今はなき文壇バーといわれる店で飲んでいた。ぜんぜん、覚えていないが、私は、親の悪口を言って飲んだくれて泣いていたそうである。会うたびに言われる文壇のパーティーというのは怖いものである。ちなみに、ここ。文壇バーということで、それまでも文芸春秋の本にの掲載は許可していたのだけど、マスターが亡くなった後、このエントリに―に掲載を許可したのには賛否両論ある。

 

 非常に繁盛している店だったから勘定が大変で、チャージ500円、酒は、カクテルでも、どんなに高いウィスキーでも、すべて1,000円という値段設定だった(注・25年前の価格)。マスターがイギリス人と日本人のハーフで、父親は宣教師として来日していたのだが、第二次大戦中、敵国人ということで収監され、その賠償金で店を始めたとのことだった。お姉さんが共同経営者になっているのだが、敬虔なクリスチャンなので、酒を飲ませる店を営業することには反対だったらしい。

 そんなときに、ふと、ラフローイグ10年を出された。いいから飲んでみなさい、と言う。そのときの私は甘いカクテルばかり飲んでいた。たまぁにマティーニなどを飲むこともあったのだが、ベルモットを大目にしてくれと言っていたので、どうして、そんなものを飲ませようと思ったのか謎である。ほら、ウチはスコッチの店だからね、と言われた。

 美味い… と思った。マスターのお姉さん(一応、ママさんなんですよ! と言われていたけど、女人禁制の店でママさんもないものである)に、正露丸臭くありません? と心配されたが、ショックと思えるほど美味く思えた。ここのマスターは、常に地図を用意していて、アイラのピートの味が、もっとも出ているウィスキーだという話をした。

 当時は、まだ、スコッチブームどころかバーボン以外のウィスキーを飲む習慣もなかった(だから「山崎」も仕込みが少なかった)。近所の、そのイオンとなってしまったスーパーマーケットで、グレン・モーレンジ―が「素性の判らないウィスキーなので」2,000円で売っていて、酒道6段の私でも価値が判りかね、バーに電話で訊いた。そうしたら、それは、絶対に買いです! と、マスターは不在なのにママさんに言われた。

 それ以来、居酒屋で出される角やブラックなどのハイボールが飲めない。ハイボール自体は飲むのだが、ジョニーウォーカー黒ラベル(ジョニ黒)のものしか飲めなくなった。これも、今でこそ普通に売っているが、当時は、10年物のブレンデッドスコッチウィスキーという扱いで、当時の価格で4,000円した。それをバカバカ飲んでいた。上得意ということで、ジャーディンからジョニ青を貰ったりもして、さて、どうしようと思ったら、行きつけのバーで引き取ってもらえることになった。

 当然、ジョニ黒より美味いジョニ青を取ってあるのは、自分より味が解る人がいるんだろうなぁと思ってのことだ。なんせ、ジョニ黒を1日に1本空けていしまう人間だから、酒というものを「酔うための手段」としか捉えていない。もうベロンベロンなので〆てしまうと、甘いとか飲みやすいというのはあるが、素面の段階で、いきなり酒を飲もうとは思わないのだ。

 

 ごめんなさい、酩酊しています。