身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

歳を取ることは辛い。しかし、それも悪くない。

 念のため、昨日のエントリーは書き直しました。そして、書き直してからウトウトッとしたのですが、また汗をかいて目が覚めました。

 疲れ果ててバスに飛び乗り渋谷の行きつけの喫茶店に飛び込みました。行きのバスでも、ポカポカ陽気の中で小野リサさんのボサノバを聴いてご機嫌でした。

 しかし、喫茶店では、なにか居心地が悪い。リラックスしているようで、妙に力が抜けません。

 予定より1時間ちかく早く切り上げて家に帰ってきたのですが、また、スマートフォン内の写真をフォルダーごと削除してしまいました。

 そして、机に向かって色々とやっているのですが、昔に比べると、目に見えて作業効率が落ちています。

 

 何をやるにも大変です。

 

 このBlogをお読みになっている方はご存知だと思いますが、私はTVドラマが好きです。そんな中で好きな作品に「最後から二番目の恋」という作品があります。 

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 中井貴一さん演じる長倉和平には、癌の再発を怖れて、いつ死んでもいい生き方をしている、 坂口憲二さん演じる真平という弟がいます。

 和平は、そんな真平に、歳を取ると、何をやるのも辛くなるんだ、その辛さを味わわないで死なせないからなというようなことを言います。

 このニュアンスが非常に良く解るのです。同じことをするにしても、若いときの倍ぐらいの労力を使います。

 普通、辛い思いは他人には味わわせたくないもの。しかし、この感覚は、なぜか、若者に味わってもらいたいと思うのです。

 私は、他にも辛い思いをしています。持病はあり、体力はない。朝、汗をビッショリかいて目が覚める。そんなことは味わってほしくない。

 そして、思い出すのは、何年か前に観たNHKのドキュメンタリー番組です。作詞家の松本隆さんを特集していました。(検索したら出てきました。)

 

 この中で松本隆さんは松任谷由実さんに、同じ質のものを仕上げるのに、若いころの倍(?)の時間がかかると言っていました。

 いつのころを基準にして倍ということではないのですが、たしかに倍ぐらいの時間がかかるよなと思ったので記憶に残っているのではないかと思います。

 労力が倍。時間がかかるのが倍。つまり、仕事率が1/2になっているというのが正しい気がします。

 しかし、仕事率が1/2になっても活動時間を倍にすることはできません。しかも、倍疲れるのに、睡眠時間を倍にすることもできません。

 なんか、歳を取ると辛いことが多くなります。しかし、そんな大変な思いも悪くないなと思うのが不思議なところ。 

 私は、自殺しないことが不思議なくらい辛い思いを沢山しています。他のことからは楽なりたいけれど、不思議と歳を取ることによる辛さから逃げ出そうとは思いません。

 若者に対して何かいうのは老害だと思っているので、あまり多くはいいたくありません。しかし、これは歳を取らないと体感できないだろうと思って書きました。