身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

一縷の望み。

 私が生きている希望なんて心許ないものだ。当たることもない宝くじ、その宝くじが当たったときを考えてワクワクすることだけが、プラス方向に情動を動かされる唯一のことだ。逆に当たるわけがないのに外れると落ち込む。

 北鎌倉に瓜ヶ谷というところがある(私のハンドルネームの由来)。数年前から、前を通るたびに、いいなぁと思っていたお屋敷が昨年から売りに出ていたのだけど、昨日、見たら売れてしまっていた。

 7,500万円だから宝くじでも当たらないと買えないのだけど(無職の私は郊外の建売ですら買えない)、なんか、そんなことで、心にぽっかりと穴が開いてしまった。思い入れだけは激しかった。

 どうせ変える確率なんて万が一なんだけど、それだけで生きていて楽しいことが何もないように感じてしまった。実際、ここ数日の睡眠の不調で、昼は横になっていてもダルい。それでも動こうという気力にはなれなかった。

 高樹のぶ子先生の作品だったか、郊外の一戸建てに住む主人公が、近所の人には言っていないけれど都心から越してきたのでローンがないから心に余裕があるというものがあった。

 佐藤正午先生『身の上話』は宝くじが当たったところから人生の歯車が狂い出す。しかし、そういう心の余裕みたいなものとして訪れてほしいものだ。宝くじが当たったときを想像する程度しか、今の私には生きる希望がない。

 

P.S. 今日はNikon FE2(MD-12付き)にAi AF Nikkor 20-35mm 1:2.8D付き。久々の外出ということもあり、気落ちしていることもあり、ずっしりと重くて2・3枚しか撮れませんでした。そもそも寡作だし。

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