身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

Walk, Then Run.

 吾輩はデブである。

 国際電話のオペレーターを始めたときから急に太った。先日もあったが、当時は国際電話の「みなし契約」というのがあり、知らないうちに国際電話を架けていて法外な通話料金が発生するという事例が相次いだ。クレームの嵐。ストレスたまり放題。

 ちなみに、それまでは身長180㎝・体重60㎏という体形だった。身長と体重だけ取れば今の袴田吉彦さんと同じなので、彼を見ると、いかにガリガリだったか判ると思う。ちなみに、スーツも、すべて、そのときの体形で買っている。

 それが、いきなり倍増、120㎏になったのだ。ズボンは入らなくなる、無理して履いてダメージジーンズみたいになったらオヤジ社員に揶揄される…。今まで、それだけ細くて身長が長い服がなかったのだが、逆に太い服がない。

 ちなみに、その後、身体を壊して会社を辞めてから、毎日、20㎞歩いて20キロ落とした。3ヶ月程度だと思う、意外と早く落ちたのだが、過食の習慣は抜けない。今は105㎏付近を行ったり来たりしている。身長こそ違っても体重は渡辺直美さんと同じだ。

 一昨日、酒を飲んだら、なぜか急に走ろうと思った。しよう、しよう、と思って突き抜けるのではなく、こういうことを本当は「一念発起」というのではないかと思う。その日のうちにジョギングシューズを用意し、肩から吊るせるポーチに、お薬手帳障害者手帳を用意した。

 しかし昨日は例によって酒を飲んだ翌日の、身体に負担が来ている感じで走るどころか外にも出られない有様。しかも、ジョギング用品は酔って用意したので、靴紐を締めたキツさが、かなり怪しい。体調的に走れたとしても靴擦れを起こすことは必至だ。とりあえず歩いてみることにした。

 寓居は東京都港区の、白金と高輪の境にある。白金というのはシロカネーゼという言葉で一躍、有名になった「プラチナストリート」があるところだ。高輪は、地元の人間は泉岳寺で有名と言いたいが、最近は「忠臣蔵」なんて誰も見ないので、品川区ではないのに品川駅があるところというのが判りやすい。

 さらに三田・南麻布というところと隣接しており、南麻布は六本木や麻布十番などの繁華街に近い。三田というのは田町駅慶應義塾大学があるところだ。最寄りのJRの駅が田町駅なので、最近、そちらの方ばかり歩いていた。とりあえず、足慣らしに、どこか歩こうと思い、白金の街を歩いてみた。

 高級住宅街・白金をイメージ付けているのは、住所や駅でいうと白金台という場所に当たる。白金が住所のところも含まれるが、そんな高級住宅地ばかりではない。特に、白金は丘があるのだが(だから白金「台」)、そうでないところは、雰囲気が、のどかなだけで東京都東部の、いわゆる下町と大差はない。

 暑さは思ったほどではなかったが、足慣らしという目的すら忘れて、のんびりと散歩してしまった(苦笑)。これなら、普通に鎌倉に遊びに行った方が、よほど歩く。だいたい10㎞くらい歩いて帰宅。明日は地元の警察署まで、明後日は五反田駅まで歩こうと思う。だいたい往復で15㎞か。歩く、そして同じ道を来週には走ろうと思う。

 しかし、周囲の影響というのは恐ろしいものだ。友人が50歳になって結婚して(交際は20年らしいが)、夫婦して1日に10㎞走るようになった。高校の同級生が1ヶ月ほど前、日光ウルトラマラソンを完走、他の同級生が、昨日、北海道マラソンを完走。北海道マラソンを完走した奴は、決意した後だったので、決意を新たにしてくれた。

 走ります。私はフルマラソンとか大きな目標は立てない。単に痩せて健康になるために走る。なので、距離は大した目標は立てない。その代わり、コツコツと走りたいと思います。ちなみに下の写真は今日の散歩(笑)の途中で見掛けた井戸。白金は、そんなものも残っている街です。

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