身の上話

身の上に起こった、嘘のような本当の話。タイトルは佐藤正午作品から。

キチガイ母のこと。

 昨日、眠剤を服んで朦朧としていているときに母の住む松戸市の救急隊から電話があった。

 その前日、母と電話をしたとき、もし私が電話に出なくても介護関係者に電話をしては駄目だと言われた。ケアマネジャーの職務怠慢を詰り、ケアマネジャーがすべきことなのだからと言う。

 昨日は朝から電話が通じなくて、嫌な予感はしていた。これはケアマネジャーに当てこすりをするなと思ったら、案の定だった。

 しかし、実際には夜中なのでケアマネジャーではなく私に電話が架かってきて、今すぐ、松戸まで来てくれと言う。そんなこと言っても睡眠薬を服んで松戸までなど行けない。

 救急隊曰く、入院させろとゴネているのだが、入院させるような状況ではなく、私に病院を説得してほしいらしい。眠剤が効いていて、正確に把握できているか判らないけど。

 以前も病院と揉めて警察を呼ばれ、私は松戸市役所に呼びつけられたことがある。曰く、骨髄が粉になって頭から出ていて、それが物を溶かしたり他人の健康を害していると。

 他にも、自分は末期癌だと言い張っていると言う。そして、医師会の医師が検査をしたのだが、何ともないという。

 思い起こすのは母の妄想や攻撃が、すべて私に向いていたときのことだ。子供のとき、私のトイレが近いと言い、水を飲みすぎるからだと主張し、40℃を超える部屋に水も与えず監禁された。それで何度、熱中症で倒れたことか。

 何の根拠もなく、バスの運転手と揉めているんだろう! 会社をさぼって旅行に行っているんだろう! と言って私の留守宅に上がり込み部屋を荒らしていったこともあった。今のケアマネージャーに向かう憎悪が私に向いていた。

 もう、そういう昔の嫌なことが芋づる的に思い出される。それで高校すら出ていないのに実家を追い出されて独り暮らしを始め、やっと私が標的にされることはなくなったのに、どうして、今も、そんな仕打ちを受けなければいけないのか。

母のことが不安で眠れない。

 朝、ヒルナミンを服んで寝たら今まで寝てしまった。いつもヒルナミンを服んで寝るとそうなのだが、どうも目覚めたときに調子が悪い。離人感とともに、起きているのにフワフワした感じがして、起きているのが辛い。今も、これを書くのがやっとである。

 さて、今朝、不安で眠れず、肌も虫に刺されたように腫れて痒い。ストレス性の蕁麻疹のようだ。これは少しヒルナミンを服んで寝ないと身が持たないなと思い主治医に電話。昨日のことで、松戸市から主治医に先んじて電話があったという。

 母は医療保護入院が必要だという。その手続きを私にお願いしたいが病人に話してストレスにならないだろうかと主治医に連絡があったという。主治医としては、本来、私がすべきことであるし、父の相続の手続きをした実績もあり私の人生にとってプラスになることだと思うので、やってほしい、その旨を通知したとのことだった。

 松戸市の言いたいことが判って少し安心したと同時に、人間、感情が絡んで動けなくなるというのは本当なのだなと思った。父が死んだときの相続の手続きといっても銀行や生命保険会社を回って必要な書類を掻き集めて不動産登記をしたくらいだ。

 まぁ、強いて言えば自分で遺産分割協議書を作ったが、資産を書き出して、どう分けると書いただけである。仕事で原産地証明(Certificate of Origin)などを作っていたので、それと手間的には変わらない。それが、いざ自分が関わる書類となっただけで厄介になる。

 しかし、不思議なのは、何がどうなって医療保護入院が必要だとなったのか。毎日、母に電話をしているが、症状は安定しているというのが私の印象だ。ケアマネージャーがいるにはいるのだが、ほとんど母とコンタクトを取っていない。

 本当に当てにならないケアマネージャーで、母のことを聞いても「ヘルパーに訊いておきます」と言って、その回答をオウム返しすることしかしない。結局、私も直接、ヘルパーに訊くようになった。

 そもそも、今回も、市の地域包括支援センターからは連絡があったが、ケアマネージャーからは何の連絡もない。もし、そんな月に2回も母に会っていない人が何か言って、このような事態になっていたら憤慨ものである。きっちり話をしてきたい。

いい加減にしてほしい。

 母を管轄する地域包括支援センターから電話がある。話があるが、詳しくは市役所の職員から直接、話を聞いてほしいと言う。松戸まで出向くこととなった。

 母の考え方や行動が問題視されて、あれやこれやと言ってくる人が多いが、そんなのは昔からのことである。

 例えば警察が来れば私のように胡散臭い人物がいるから警察が来るんだと私を責め、つまり、同様なことは以前からあって、常に私に向いていた。

 それが、自分たちに向いていなかったら見て見ぬふりをして、自分たちに向くようになったら身内だから何とかしろというのは、つくづく勝手だなと思う。